TDKは、車載用の3端子貫通型フィルター「YFF」シリーズにおいて高耐圧化と大容量化を図り、1005サイズの「YFF15AC1V224MT0Y0N」と、2012サイズの「YFF21AC1A475MT0Y0N」を開発、量産を開始した。
TDKは2025年6月、車載用の3端子貫通型フィルター「YFF」シリーズに、1005サイズの「YFF15AC1V224MT0Y0N」と2012サイズの「YFF21AC1A475MT0Y0N」を追加した。高耐圧化と大容量化により、セットの部品数削減や小型化が可能になる。サンプル価格は、YFF15AC1V224MT0Y0Nが1個10円、YFF21AC1A475MT0Y0Nが1個15円(各税別)だ。
材料選定と製品設計を最適化することで、YFF15AC1V224MT0Y0Nでは同一サイズの従来製品に比べて、耐圧を6.3Vから35Vに向上した。YFF21AC1A475MT0Y0Nは、静電容量を0.47μFから4.7μFへと大幅に増やした。
定格電圧35VのYFF15AC1V224MT0Y0Nは挿入損失40dB(4MHz〜2GHz)で、より広範囲の電源ラインで使用可能。静電容量4.7μFのYFF21AC1A475MT0Y0Nは挿入損失30dB(300kHz〜3GHz)で、入力コンデンサーとして電圧変動の抑制や高周波ノイズ対策に適している。セットの使用条件によっては、同程度に電圧変動を抑えるために必要となる部品数を積層セラミックコンデンサー(MLCC)の半分に減らすことも可能だ。
また、車載向け受動部品の信頼性試験規格「AEC-Q200」に対応。車載電源ラインの平滑、フィルター、デカップリングといった用途に適する。当面の生産予定は1カ月当たり100万個の予定だ。
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